過労自殺、遺族の勝訴確定 最高裁がニコンなどの上告退ける
2011.10.1 18:27
光学機器大手ニコンの埼玉県の工場に派遣されていた男性が自殺したのは劣悪な勤務環境でのうつ病が原因として、遺族が同社と名古屋市の業務請負会社に計約1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟で最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は1日までに、両社の上告を退ける決定をした。計約7千万円の支払いを命じた二審東京高裁判決が確定した。9月30日付。
男性は平成11年3月に23歳で自殺した上段勇士さんで、原告は母親。二審判決は一審東京地裁判決同様、自殺原因を過労によるうつ病とし、派遣元と派遣先双方の注意義務違反を認定。「製造業への派遣を禁じた当時の労働者派遣法に反していた」とも指摘した。
二審判決によると、上段さんは窓や休憩スペースのない部屋で製品検査業務を担当。退職を申し入れたが認められず無断欠勤となり、寮で自殺した。